HARRISONS MERSOLAIR

ハリソンズの、あのMersolairシリーズです。どれもいいですね。

昨日、早速「Brian Jonesの写真と同じ様に」と言うご注文を頂きました。

ブライアン・ジョーンズ様式

1960年当時と同じ生地、同じデザインのスーツが出来上がりました。初めて写真を見た当時、周辺に類似した服が全く無かったので、随分奇抜な印象を受けましたが、こうして出来上がると今も変わらず新鮮な印象を受けます。

ブライアン・ジョーンズは早逝で、写真は1960年代の初頭だと思いますがスコットランドの服地メーカーは60年前と同じ服地を今も作っています。なので次々と消費し尽くすだけの日本とは、一味違う本物が有ります。実のところ京都にもその様な本物が有るのですが、振り向かれる事が少ない様です。

次々と手を変え低コストの商品を押し出す日本型消費トレンドでは、チープな満足感は得られますが安心感は得られません。気が付けば我々を取り巻く環境そのものが、安価なニセモノで埋め尽くされています。将来ゴミにしかならない商品が本当に望まれているとは思えません。とやかく言えませんが、これは生活目標では無かったと思います。

河井寬次郎のスリーピース

お客様から「曾祖父である河井寬次郎のスリーピースを直せないか」とのご相談がありました。
柳宗悦、濱田庄司、バーナード・リーチらと日本の民藝運動を起こした陶芸家あの河井寬次郎の衣装ですから、遅くても昭和30年代のものでひどく傷んでいましたが、保存するだけの価値があるものと思い引き受けました。

穴アキや破れを塞いで芯地や裏地を変更、ボディーラインやダメージ感は残したまま、雰囲気を壊さないようにサイズとバランスを変更しました。この写真がその出来上がりで、ほぼ満足できるものになりました。

温かみを感じる昭和のレトロ感と、そこはかとなく河井寬次郎の存在感を感じます。

mad-bitcom

写真は1980年前後のUKモッズスタイルをできるだけ忠実に再現したフロント4ボタン3個掛けのモデルです。プロトタイプはVゾーンが極めて小さく、チェンジポケットが付きません。 例えば本格的に英国ブランドのヴィンテージ生地で制作しても価格は¥59,000程度、ヴィンテージ生地は多数ご用意しています。 初期モッズがイタリアン・スタイルに強い影響を受けてやや情緒的だったことに対して、80’sモッズはよりシンプルでスタイリッシュなモダニズムを身に着けていました。サイドベンツもチェンジポケットも本来はコンチネンタル・スタイルのものですが、UKモッズ達はアメリカからModern Jazzを取入れたように、フランス・イタリアからこれらのディティールを取入れました。

手縫いオーダー靴

お客様で靴のデザイナーを目指しているHさんにお願いしていたドレスシューズが出来上がりました。 齢を重ねるとスーツを着る機会がめっきり少なくなるのですが、”いざ”という時に履く靴がないのは困りますから、お願いしておいたものです。内張りは紫色のスエード、靴底をつなぐ縫い目は靴底側では隠していて美しいです。英国風に先が少し上がっています。 もう一足欲しいのですが、何人もの方が順番待ちなのでしばらく先になりそうです。どうしても欲しいと思う当店のお客様は交渉しますのでメールをください。

人生観を変えた一曲

前回の続きになるが、S先生のWEB上の書込みにJanis Joplinの’Cheap Thrills’というアルバムの写真があり、少し当時のことを考えた。 ジャニス・ジョプリンには別にパールというアルバムがあり、その中に’Me & bobby mcgee’という曲が収録されている。これはクリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)のオリジナル曲だったがジャニス・ジョプリンが歌ったことで有名になったと記憶している。 この曲のサビの部分の冒頭に「自由というのは失うものが何もないってこと、だけど自由じゃなかったら、そもそも何も始まらない。」(Freedom’s just another word for nothin’ left to lose Nothin’, don’t mean nothin’ hon’ if it ain’t free,no no )という部分がある、これがその後の人生観を変える一言になった。 それまで何となく「自由は勝ち取るもの」だと思っていたが、ここでは真逆の「失うものが何もないってこと、何も持たないことが自由だ」と歌っている。「そうだ! 何かを得ると言うことは、何か得たものに縛られる事なんだ。」と気が付いた。貧乏人の言い訳みたいに聞こえるかもしれないが、「富こそが持つ者も持たない者をも不自由にさせているのだ。」と気付いた。 そんな訳で、今も貧乏を続けている・・・?。